| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象読者 | AI APIで業務を自動化したいが何から始めるかわからない経営者・事務担当者・初学者 |
| 前提知識 | 不要(各APIの無料枠で始められます) |
| この記事でわかること | AI APIの全体像 / 3大API比較 / 業務シーン別の選び方 |
| 所要時間(読了) | 約12分 |
AI APIとは、プログラムからAI(人工知能)の機能を呼び出すためのインターフェースです。LLM(Large Language Model、大規模言語モデル)の能力を自社の業務フローに組み込めます。 中小企業にとっては、テキスト分類・要約・文章生成などこれまで人手に頼っていた知的作業を月数百円から自動化できる手段です。 この記事では、主要3API(OpenAI・Claude・Gemini)の比較と、業務シーン別の選び方を解説します。
AI APIとは?
AI APIとは、プログラムからAIモデルを呼び出すための仕組み(Application Programming Interface)です。OpenAI・Anthropic・Googleなどが提供しており、自分のスクリプトから利用できます。
ChatGPTとAPIの違い
| 項目 | ChatGPT(チャットサービス) | API |
|---|---|---|
| 使い方 | ブラウザ・アプリでチャット | プログラムからHTTPリクエスト(Webサーバーへのデータ送受信) |
| 自動化 | 手動操作が必要 | 完全自動化が可能 |
| 料金 | 月額固定(Plus: $20/月、2026年2月時点) | 従量課金(使った分だけ) |
| カスタマイズ | プロンプトのみ | システムプロンプト・温度パラメータ等を細かく制御 |
| 業務組み込み | 不可 | GAS・Python・ノーコードツールから呼び出し可能 |
ChatGPTで「こういう処理ができそう」と実感したら、次のステップとしてAPIで業務に組み込む流れが自然です。
AI APIでできる業務自動化
| 業務カテゴリ | 自動化の例 | 効果 |
|---|---|---|
| テキスト分類 | 問い合わせメールを「見積もり」「サポート」「クレーム」に自動分類 | 仕分け作業ゼロ |
| 文章要約 | 長文レポートや議事録の自動要約 | 読み時間を80%削減 |
| 文面生成 | 定型メールの下書き自動生成 | 作成時間を半減 |
| データ抽出 | 請求書PDF・名刺画像からの情報抽出 | 手入力の完全自動化 |
| 翻訳・校正 | 業務文書の多言語翻訳・誤字脱字チェック | 翻訳外注コスト削減 |
主要3APIの比較:OpenAI vs Claude vs Gemini
主要3APIとは、OpenAI・Claude・GeminiのLLMをHTTPリクエストで呼び出せるサービスです。以下、料金・特徴・得意分野で比較します。
基本スペック比較
※トークンとはAIが処理するテキストの最小単位で、日本語は1文字≒1〜2トークンです。
| 項目 | OpenAI API | Claude API | Gemini API |
|---|---|---|---|
| 提供元 | OpenAI | Anthropic | |
| 主要モデル | GPT-4o / GPT-4o-mini | Claude Sonnet 4.5 / Haiku 4.5 | Gemini 2.5 Flash / Flash-Lite |
| 料金(最安モデル) | $0.15/100万入力トークン | $1/100万入力トークン | 無料枠あり |
| 無料枠 | なし(要クレジット登録) | 新規5ドル分 | 1日250〜1,000リクエスト |
| 最大コンテキスト(1回の処理でAIが参照できる量) | 128Kトークン | 200Kトークン | 100万トークン |
| GAS対応 | UrlFetchAppで可能 | UrlFetchAppで可能 | UrlFetchAppで可能 |
| 特徴 | エコシステムが最も充実 | 指示追従性・長文処理に強い | 無料枠大・マルチモーダル |
料金はいずれも2026年2月時点の情報です。最新の料金はOpenAI公式料金ページ・Anthropic公式料金ページ・Google AI公式料金ページをご確認ください。
3APIの特徴
OpenAI API — エコシステム最大・情報量が豊富
ChatGPTの普及によりドキュメント・ライブラリ・事例が最も充実しています。GPT-4o-miniは低コストで高性能なため、コストを抑えた大量処理に向いています。Function Calling(AIに外部ツールや関数を実行させる機能)やファイル検索などのツール機能も充実しています。
Claude API — 長文処理・指示追従性に優れる
200Kトークンのロングコンテキストで、長文の文書処理や分析タスクに強みがあります。指示に忠実に従う傾向が高く、フォーマット指定や出力制御の精度が安定しています。新規登録で5ドル分の無料クレジットが付与されます。
Gemini API — 無料枠が大きく・GASとの相性抜群
Googleが提供しているためGASからの利用が最もスムーズです。無料枠が1日250リクエスト以上あり、テスト段階では完全無料で始められます。画像・PDF・音声のマルチモーダル入力にも対応しており、請求書読み取りなどの用途に適しています。
各APIの実装手順:
- OpenAI API入門 — Chat Completions API + Responses APIの使い方
- Claude API入門 — Anthropic公式SDK(開発ツールキット)の使い方
- Gemini API入門 — PythonとGASの2パターン
業務シーン別の選び方
業務シーン別の選び方とは、処理内容(分類・要約・生成)やコスト・無料枠を軸に最適なAPIを判断するプロセスです。以下のガイドで選定してください。
| 業務シーン | おすすめAPI | 理由 |
|---|---|---|
| まずは無料で試したい | Gemini API | 無料枠が最も大きい |
| 問い合わせメールの自動分類 | OpenAI(GPT-4o-mini) | 低コストで分類精度が高い |
| 長文レポートの要約 | Claude API(Haiku 4.5) | ロングコンテキストでコスパ良好 |
| 請求書・名刺の読み取り | Gemini API | マルチモーダル入力に対応 |
| メール文面の自動生成 | Claude API / OpenAI | どちらも高品質な生成が可能 |
| GASから直接呼び出したい | Gemini API | Google提供でGASとの親和性最高 |
| 大量処理(月1万件以上) | OpenAI(GPT-4o-mini) | トークン単価が最安 |
複数APIの組み合わせ
1つのAPIに限定する必要はありません。例えば以下のような組み合わせが効果的です。
- Gemini APIで請求書PDFを読み取り → OpenAI APIで分類・データ整形
- Claude APIで長文レポートを要約 → GASでスプレッドシートに記録 → Slack通知
まずは1つのAPIで小さく始めて、慣れてきたら用途に合わせて使い分けるのが効率的です。
導入の注意点
AI API導入の注意点とは、従量課金によるコスト超過リスク・APIキー漏洩リスク・機密データの取り扱いなど、業務組み込み前に対策が必要なポイントです。
コスト管理
| 注意点 | 対処法 |
|---|---|
| 従量課金で予想以上にコストがかかる | 各APIのダッシュボードで月額上限を設定する |
| 不要なリクエストが発生する | テスト時は安価なモデル(GPT-4o-mini等)を使用 |
| トークン数の見積もりが難しい | 日本語は1文字≒1-2トークンで概算する |
セキュリティ
- APIキーは環境変数で管理: コードにハードコードしない。GASの場合はスクリプトプロパティに保管
- 月額上限を必ず設定: キー漏洩時の被害を最小化できます
- 機密データの送信に注意: 個人情報や機密情報をAPIに送信する場合は、各社のデータポリシーを確認してください。APIへの入力がモデルの学習に使われるかどうかはプランにより異なります
- プロジェクト単位でAPIキーを発行: 万一の漏洩時に影響範囲を限定できます
セキュリティ全般の注意点はAI開発ツール比較でも解説しています。
まとめ:次のステップ
AI APIは、中小企業がテキスト分類・要約・生成などの知的作業を月数百円から自動化できる手段です。OpenAI・Claude・Geminiの中から業務の特徴に合ったAPIを選び、小さく始めましょう。
あなたの状況に合わせて、次の記事に進んでください。
- 無料で試したい → Gemini API入門(無料枠で始められます)
- 低コストで大量処理したい → OpenAI API入門(GPT-4o-miniが最安)
- 長文の文書処理がしたい → Claude API入門(200Kコンテキスト)
- 自動化の全体像を知りたい → 中小企業のAI業務自動化ロードマップ
- まずGASから始めたい → GASでできること完全ガイド